2013/07/20 万福寺ニンジンのたねとり会

相模湖の近くにあるすどう農園さんと、万福寺ニンジンのたねとり会を開きました。

このイベントを開いたきっかけは今年の2月、西新橋のレストランでのこと。須藤さんの食材を使ったランチ会に参加したところ、「万福寺三尺ニンジン」という気になる食材が料理されていたのです。サラダではさわやかさと苦みの混ざった存在感のある味。ムースになればとても甘い。なんでも、このニンジンは細長く、地中深くまで根を伸ばしてミネラルを吸い上げるとか。

そして、須藤さんから伺った種のお話。これが私の心を動かしました。

このニンジンの種は、採種地が福島であること。
3.11前に採種されているにも関わらず、種やさんで売れ残っていたこと。
須藤さんが全部買い上げ、種をつなごうとされていること。

私も種を採ってみたいと母本(たねとり用のニンジン)をいただき、成長の様子を共有し合う中で、このイベントを一緒に企画することに。春が過ぎ、ニンジンはすくすくと生長。夏に入り花を咲かせ、いよいよ種とりのタイミングとなりました。

当日はほど良いお天気の中、13名の方にご参加いただきました。自然食品店・図書館にお勤めの方、フリーのデザイナーさん、中学生とワンちゃんをお連れのご夫婦など。農園のスタッフさんも一緒に、朝の10時にスタート。ここからは写真を中心にレポートします。

まずは、参加者の皆さんで自己紹介を。
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つづいて須藤さんのお話。
須藤さんがいつもおっしゃるのは「つながりを大事にしたい」ということ。人とのつながり、自然とのつながり、時間のつながり。「種とりは時間をつなぐこと」とお話されました。

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続きは畑で。
「在来種には生長にばらつきがあるので、種を早くつけるのもいれば遅くつけるのもあります。何かがあったときに、どっちが生き残るということで、種(しゅ)として残っていく戦略。それが多様性です。」
一面に咲いたニンジンは、白い花のもの、黄緑で種が未熟なもの、黒く枯れきって種がこぼれ落ちたものまで様々でした。
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「農業は『人為』と『天道』がなすもの。野菜はミュータント。私たちがどう関わってどういう野菜を作るかというのには、深みや面白さがあります。」
そして、「種はニンジンからの最後のメッセージ。ニンジンとの対話を楽しんでください。」という言葉を皮切りに、たねとりがスタートしました。
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ニンジンの花は真上が一番立派に咲くもので、真ん中の大きなお皿のようになっている部分でちょうどよく熟している種を採ります。
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ただし、花が立派だから良いニンジンかというと、それは比例するものではありません。ニンジンを引っこ抜いて、細ければ「どうかな??」、太ければ「なお良し!!」というように、確認しながら選んでいきます。
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これは長い!!そもそも。これだけ背の高い花を咲かせてもなお、土の中にニンジンが存在していることに驚きました。次の世代に養分を精一杯送っているのですね。
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良さそうな花を見つけたら、ほじほじ。
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ニンジンの種。
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1つの花にびっちりと詰まっています。静かに蓄えられるエネルギー。
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みんな没頭。
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「これなんかどう?」
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「だいぶ採れたねー。」
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虫も美味しそうに集まっていました。
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1時間ほどしたところでランチタイム。
前日、須藤さんのご指導のもと石釜で焼いたパンをオープンサンドにしていただきました。
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元気なわんちゃん、Snowy。
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農園の羊。このイベントのあと毛を刈られてすっきりしたそうです。
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お腹いっぱいになったところで日陰へ移動。
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輪になり、あらためて種のお話を伺いました。

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「人間も野菜も花の盛りがあり、枯れていき、最後にメッセージを残していく。これを命の終わりとみるか、はじまりと見るか。種は生きていて、命はつづいていくのです。」

須藤さんのこの言葉が特に心に残っています。

たねをつなげること。
それは、生産農家さんの経営にとっては効率の悪いこと。

それでもたねをつなげることについて、須藤さんは「いろんなリスクを考えると、小さく小さくしたたかに続けていく必要があります。」とおっしゃいました。

おすすめされたのは家庭での種とり。交雑する心配も少ないし、作ることを企むのは面白い。生産にかかわることで見えることがあるからと。プランターでも良いという言葉に励まされ、最後は参加者の皆さんから、種の保管方法、蒔く時期、育てるコツなどの質問が出され、丁寧に答えていただきました。

にんじんとの対話。続きは種と、それぞれの場所で。

最後に記念撮影を。ご参加いただいた皆さん、須藤さん、ありがとうございました。
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すどう農園: http://sudofarm.net/
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