よへいろん 小林明日香さん

久しぶりのつなぐひとびと。そろって新潟に戻ってきたちゆきちゃんと私いけまりが、県内の農園「よへいろん」さんを訪れました。

私たちを迎えてくれたのは、やわらかな雰囲気のするあすかさん。5ヶ月の女の子・詩和ちゃんを育てながら、無農薬・無化学肥料で野菜とハーブを育てています。

もとは建材メーカーで営業のお仕事をしていたあすかさん。なぜ農業を営むようになったのでしょうか。どんなことを大事にして野菜を作っているのでしょうか。お母様お手製のレモングラスティーをいただきながら、お話を伺いました。

私たちの心に残ったのは、あすかさんのまっすぐな思いと、それを1つ1つ行動に移していく地道な姿勢です。


小さなお子さんに食べてもらいたい。

まずは、どんな野菜を作っているのか聞いてみました。

あすかさん:人参ならばリトルフィンガー、マルシェドパリ、アトミックレッド、コズミックパープルなど。「お子さんに食べてもらいたい」と思っているので、食べやすそうなものを選んで作っています。この前も、ナス嫌いだったお子さんが私の目の前で「あすかさんのナスなら食べる〜」と言ってくれて。そういう小さな事が嬉しいんです。

●●ナス。虫除けに良いというマリーゴールドと混植。本や講演、人や自然に学んだことを試行錯誤しているそうです。

▲ブラックビューティー(米ナス)。虫除けに良いというマリーゴールドと一緒に植えられていました。本、講演、人や自然に学んだことを畑で実践しているそうです。

モロヘイヤ。近所の方に譲ってもらった種から元気に育っています。

▲モロヘイヤ。近所の方に譲ってもらった種から元気に育っています。

冬には、宮重大根・赤大根・サボイキャベツ・ブロッコリー・白菜・人参など。あすかさんが「食卓に入れたら楽しそう!」と思うもの、少し珍しいものを試しながらバリエーションを増やしているそう。食べる人の視線や楽しみを大切にしている姿勢が伺えます。そのたねはどうしているのでしょうか。

あすかさん:たねの森や野口のタネから購入しています。ネットで調べてF1と自家採種のたねがあることを知って。どうせならば、一度収穫して終わりではなく、受け継ぎながらその土地に合った種になっていく過程を大切にしたいと思っています。

フェンネル。蜂が花の受粉を助けていました。

▲フェンネル。蜂が花の受粉を助けていました。


畑の復活。家族の恊働の場に。

あすかさんの畑はご実家の敷地内にあります。昔、おじいさん・おばあさんが耕していたその畑もご両親は公務員だったため、いつしか使われなくなっていったのだそう。それが気になっていたというあすかさん。口に入るものは自分で作りたいという思いもあり、週末に野菜を育てるようになりました。

あすかさん:始めちゃったんです(笑)。そしたらはまってしまい、結局5年前に会社を辞めて就農してしまいました。畑も新しく開墾。だんだん収穫量も増えて。特に夏は消費し切れないほど野菜ができてしまうので、近くの住宅街に車に載せて売り始めたんですよ。玄関を1つ1つ「ピンポーン」って。

穏やかな人柄からは想像しにくいような大胆さ。建材メーカーでは新規の飛び込み営業もしていたため、そのときに培った度胸とフットワークの軽さを活かして販路を増やしたそうです。

あすかさん:やるしかないという感じ(笑)。そこで知り合った方が別のお客様を紹介してくれたり、前職でのお客様が買ってくれたりしています。今は「もうすぐこんな野菜が採れますよ」と連絡をして、ご希望の方にお届けしたり、県外の方には、月に数回、7〜8種類の野菜をセットにして送っています。

ヒラサヤインゲン。「放っておいても完熟したら豆を乾物にできるのでラクだし楽しみも広がる」とあすかさん。

▲つるありインゲン。「放っておいても完熟したら豆を乾物にできるのでラクだし楽しみも広がる」とあすかさん。

赤ちゃんを育てながらの生産と販売はとても忙しそう!どんな風に時間を作っているのでしょうか。

あすかさん:子供が寝ている間に畑に来て、1時間〜1時間半程度、「これをやる!」と決めたことだけやっています。畑に入るとあれもこれもやりたくなるので。それと、家族も協力してくれています。

あすかさんの姿を見て、お父さんにもスイッチが入ったとか。より力を入れて手伝ってくれるようになり、お母さんもハーブ畑を手入れされたりと、「みんなで畑に向かう機会ができた」のだそうです。


よへいろんさんのたねのうた

私にとって印象的だったエピソードの1つはあすかさんが近所のおばあさんから掛けられた言葉です。

あすかさん:「あんたのひいおばあちゃんも昔よく野菜を売りにきてたよ」って言われたんです。ひいおばあちゃんがそんなことをしていたなんて初めて知ったんですよ。その後、おばあちゃんも野菜づくりをしていて、家族からも「あんたは亡くなったおばあちゃんの血を引いたんだねー」と言われます。

あすかさんは「食べる人と野菜」はもちろんのこと、地域内の関係や思い出、ご家族の営みをつなぎながら畑を耕しているのだと思いました。そういう大切なものがたねに込められて、来年、また来年、とつながっていく。「詩和ちゃんもこの畑でできた野菜を食べて大きくなるんだなー」と想像しながら、私たちがたねを楽しい、美しいと思う理由をあらためて感じた1日でした。

畑の横にある氏神様。詩和ちゃんの安産もこちらでお祈りしたそうです。

▲畑の横にある八幡様。詩和ちゃんの安産もこちらでお祈りしたそうです。

畑の横の大きな木

▲大きな木。あすかさんのご家族と畑を見守ってきたのだろうな。

 

よへいろんさんの情報はこちらから。
Facebook :https://www.facebook.com/Yoheiron